ハトムギ以外の和漢植物
2018.11.01

甘草エキスですこやか美肌に!美容効果と副作用を解説

甘草エキスには強い消炎作用があり、美白効果も期待できます。また、甘草の抽出物から作られるグリチルリチン酸ジカリウムには肌荒れを防ぐ効果があり、医薬部外品の薬用化粧品に多く用いられています。これらの成分について解説します。

監修医師

監修 Ema鍼灸マッサージ治療院 院長  江波戸恵美

甘草

「お肌の曲がり角」を意識しはじめる30代。大人ニキビや肌荒れが気になる人もいれば、「20代の頃よりも肌が敏感になってきた」「かさつきや赤み・かゆみが起こる…」といった悩みを抱える人もいるでしょう。

今回は、そんな30代の揺らぎ肌をすこやかに整える甘草エキスをクローズアップ。具体的な効果や使用上の注意点を紹介します。また甘草から抽出される、医薬部外品の有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」についても解説します。

医薬品や化粧品によく使われる甘草(カンゾウ)とは

甘草(カンゾウ)といえば生薬の一種。その名前は漢方薬をはじめとする医薬品や化粧品、サプリメントなど、さまざまなシーンで目にしますよね。しかし、実際のところ甘草にどんな効用があるのか、わからない人も多いのでは?まずは、医薬品や化粧品に使用される甘草がどのようなものなのか、紹介します。

生薬・漢方としての甘草

甘草とは、中国から中央アジア、ヨーロッパにかけて広く自生するマメ科カンゾウ属の多年草です。生薬や漢方薬では、主に根や根茎の部分を乾燥させたものが用いられます。甘草には緊張を緩和させる作用や、消炎、鎮痛、解毒、咳を鎮める作用などがあり、かぜ薬から鎮痛消炎薬、胃健消化薬、止瀉整腸薬などさまざまな漢方処方に用いられています。

甘草から作られる有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」

甘草の根や茎からは、砂糖の50~200倍の甘味を持つグリチルリチン酸という成分が抽出されます。甘味料としても使われるグリチルリチン酸に、カリウムを結合させて水に溶けやすくしたものが、「グリチルリチン酸ジカリウム」です。

グリチルリチン酸ジカリウムは強力な消炎作用があることから、医薬部外品の有効成分として配合されることがあります。なお、医薬部外品の有効成分としては「グリチルリチン酸ジカリウム」、一般的な化粧品に配合されるときは「グリチルリチン酸2K」と、表記が変わります。

グリチルリチン酸ジカリウムには消炎作用があり、肌への刺激が少ないという特徴があります。そのため、肌荒れを防ぎ、すこやかな肌に整えるためのスキンケア化粧品や、ニキビケア化粧品、敏感肌・乾燥肌向けの化粧品などに配合されています。また、水に溶けやすい性質から、化粧水やオールインワンジェル、シャンプー、日焼け止めなど、幅広い剤形の化粧品に用いられています。

甘草から作られる美白成分「グラブリジン」

甘草の根にはグリチルリチン酸以外にも、複数のフラボノイド成分が含まれています。これらを抽出・精製することで作られるグラブリジンという油溶性のエキスには、メラニンの生成に関与しているチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、メラニンの生成を抑制する作用が。そのため、美白スキンケア化粧品などに配合されることがあります。

甘草エキスが効果を発揮する肌の悩み

甘草エキスやグリチルリチン酸ジカリウムには消炎効果があることから、さまざまな医薬品や化粧品に使われていることがわかりました。では、具体的にどのような肌トラブルに対して、甘草エキスやグリチルリチン酸ジカリウムは効果を発揮するのでしょうか。

乾燥による肌荒れ

肌が乾燥すると、外的刺激から肌を守る角層のバリア機能が低下してしまいます。すると、外部から細菌や刺激物が肌の内部に侵入しやすくなるため、肌は炎症を起こし、赤みやかゆみ、湿疹が発生しやすい状態に。甘草エキスやグリチルリチン酸ジカリウムは強い消炎作用で肌の炎症を鎮め、肌がすこやかになろうとする力をサポートします。

水分を失った日焼け肌

大量の紫外線を浴びると肌は日焼けを起こし、角層から水分が失われて乾燥が進みます。この状態の肌は炎症を起こしていることが多く、放っておくと肌荒れの原因になることも。甘草エキスやグリチルリチン酸ジカリウムは、日焼け後の炎症を起こした肌をおだやかに鎮め、整える働きがあります。

乾燥する季節にできるニキビ

ニキビというと、皮脂が多いTゾーンや頬にできやすい印象があります。しかし大人ニキビは、皮脂が少ないフェイスラインや口元などにもできることがあります。

乾燥してバリア機能が低下した肌は、自らを守ろうとして角層を厚く積み重ね、毛穴を塞いでしまうことがあるからです。すると毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こして赤ニキビに発展します。

甘草エキスやグリチルリチン酸ジカリウムにはアクネ菌による炎症を抑え、ニキビの悪化を防ぐ働きが期待できます。

甘草・グリチルリチン酸ジカリウムに副作用はある?

甘草は漢方薬や生薬にも用いられる天然由来の成分であり、使用上の注意を守って使用する分には肌への刺激性はほとんどないと考えられています。

甘草の抽出物から作られるグリチルリチン酸ジカリウムについても同様に、刺激性はほとんどないと考えられていますが、一時的かつ軽度な赤斑が報告されたケースもあります。万が一、外用でこうした症状が見られた場合は、ただちに使用を中止し、皮膚科など専門医に相談することをおすすめします。

まとめ

漢方や生薬の原料としても知られ、さまざまな薬効がある甘草エキス。甘草に含まれるグリチルリチン酸から作られた「グリチルリチン酸ジカリウム」には、消炎作用があり、医薬部外品の薬用化粧品や薬用シャンプー、日焼け止めなどにも配合されています。

最近、肌荒れを起こしやすいという人、大人ニキビで悩んでいる人、季節の変わり目などに肌が敏感になりやすい人などは、甘草エキスに注目してみてはいかがでしょうか。すこやかな肌をキープする、頼もしい味方になってくれるでしょう。

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