ハトムギの健康効果
2018.05.31

ハトムギが漢方・美容に用いられてきた歴史

生薬「ヨクイニン」として漢方の材料に使われているハトムギですが、その歴史はとても古く、かの楊貴妃も美容のために愛用していたとされています。古くから中国で愛され、日本でも200年以上の歴史があるハトムギについて紹介します。

ハトムギ

高い栄養価と肌に良い効果をもたらすということで、美意識や健康意識の高い人に注目されているハトムギ。なんと、世界では2000年以上の歴史を持つ健康食材なのです。この記事では、超ロングセラー食材であるハトムギの歴史をご紹介します。

楊貴妃が愛したハトムギ

その美しさゆえに皇帝をもとりこにして、国の存立を傾けてしまうことから「傾国の美女」とも呼ばれた楊貴妃(719~756年)。彼女もハトムギを日常的に食していたと言われています。彼女の美貌は、ハトムギの効果でキープしていたのかもしれませんね。

2000年以上前から中国で栽培

中国では楊貴妃の時代のはるか前から、ハトムギを健康食材として活用していたとされています。ハトムギは東南アジアやインドが起源とされ、その後中国でも盛んに栽培されるようになります。紀元前91年の書物「史記」(司馬遷)にも、ハトムギが登場しており、古くから生薬として用いられてきたことが分かります。

「不老長寿」の力が信じられてきた

ハトムギの実は漢方の世界では「ヨクイニン」と呼ばれ、2~3世紀ごろに書かれた中国の薬学書「神農本草経(じんのうほんぞうけい)」にも記載があります。ヨクイニンは、この中で不老長寿の効果があるとされる「上品(上薬)」に区分されています。不老長寿というのは実際には実現不可能ですが、その力が信じられるほど効果が信頼されていたようですね。

ハトムギの効果は世界記録遺産にも

ハトムギの効果について書かれた文献はほかにもあります。世界記録遺産に認定された書物のひとつである、中国古来の医学書「本草綱目」(1596年)にもハトムギは登場。利尿作用や、脾臓・胃・肺への効果、消炎作用などがあるとして紹介されています。

ハトムギの日本伝来は江戸時代

ハトムギがいつ日本に伝わったのかは諸説あります。ここでは、ハトムギの栽培が始まったとされる、江戸時代のエピソードをご紹介します。

暴れん坊将軍がひと肌ぬぐ

日本でハトムギの栽培が一般的になったのは、江戸時代。「暴れん坊将軍」でおなじみの八代将軍徳川吉宗が、「小石川御薬園」という薬草を育てる農園でハトムギを栽培するよう指示しました。なぜ吉宗がハトムギ栽培を進めたのかは定かではありませんが、その健康効果に期待をしていたのかもしれませんね。小石川御薬園は、現在も、東京大学の小石川植物園(東京都文京区)として存在しています。

江戸庶民のお肌の味方

江戸時代に出された「大和本草」という医学書には、「顔面の多発性小瘡の人は、ハトムギを煎じて飲むと効果が出る」との記載があります。「瘡(そう)」とは「きず」のことで、ニキビなどの肌荒れのことを指します。江戸時代の女性もニキビに悩まされ、ハトムギに頼っていたということですね。

この時代から、ハトムギはイボや肌荒れに民間療法として使われ、庶民にも広がっていきました。現代医学においても、ハトムギを原料とした生薬のヨクイニンはイボの治療に用いられるほか、抗炎症作用があり、ニキビの症状を和らげる効果があると言われています。

「ハトムギ」の呼び名は明治以降から

現在では広く知られる「ハトムギ」の名称ですが、ハトムギがそう呼ばれるようになったのは実は明治以降のこと。江戸時代までは「朝鮮麦」や「唐麦(とうむぎ)」「薏苡(よくい)」「シコクムギ」などと呼ばれていました。

また、ハトムギは英訳すると「pearl barley(真珠のような大麦)」になります。真珠に例えられるということは、英語圏でも特別な穀物という認識があったのでしょうか。

まとめ

ハトムギは、古来より健康維持や肌のトラブル対策で頼りにされてきた漢方の材料で、日本でも200年以上にわたり女性の肌の味方となってきました。現代においてもハトムギの美容・健康効果には注目が集まっており、中国やアメリカでは、ハトムギを原料とした新薬の研究も進められています。漢方薬でも、月経不順やニキビに処方される「桂枝茯苓丸加薏苡仁」や関節痛に処方される「ヨクイニン湯」など、ハトムギが配合されたエキス剤があります。

大昔から信じられてきたハトムギの効果を味方につけ、あなたも美肌やすこやかな体を目指してみてはいかがでしょうか。

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